久々にミナロさんにトラバです。
宇宙ビジネスは儲からないか?というお話で、大変為になるエントリとなっています。
実はうちでも宇宙開発関連のお仕事をしています。
横浜の某企業関連のお仕事を受けるようになると、頻繁にH2ロケットの文字を図面の端に見ることができます。
じゃあ、実際儲かるのか?という話ですが、私の個人的な感覚としては、儲からない仕事とは思わない……、うわ〜〜すごい曖昧……(^_^;)
結論から言うと、「オンリーではやっていけないけども、適度に入ってくる分には、大変おいしい仕事」と思っています。
というのもロケット部品ともなると、ひとつの部品に関しても、必要以上の加工を必要とし、ボルト一本でも「じゃ、ここミスミで」なんてことにはならず、材質も硬質だったり丈夫なものに、加工もそれなりに耐久性を考えた加工となります。
例えばボルトならば、SUS316を使い、ねじ山も航空機用のちょっとネジ山の丈夫な形状の特殊なものを使います。簡単なフランジでも、ジュラルミンを使用し、溶接で済みそうなリブもオール削りだしで加工することになります。表面処理だって特殊なものを使います。
洋服で言えば、全てがスペシャルオートクチュールなわけですよ。
以前人工衛星を載せるだけの台を作成したときも、アルミの削り出しで、組み立て式の台でしたが、径3mちょっとの円形で、組み上げた後の平面公差、穴位置公差0.1以内……(^_^;) 出るわけないじゃん!!と言いながら何とか仕上げましたが……。
作っていて思うのは、ロケットというのは、大きな大きなひとつの試作品の様なもので、全ての加工が1点もの。通常の何倍もかかる方法で製作されています。ですから、必然と価格が上がります。
なので、製品ひとつひとつは、通常よりも高い単価になりますので、どちらかというと、おいしいお値段だと思います。決してぼったくりでなくね、それだけの神経を使い製作しているということでね。
しかし、いくら値段が良くても、ミナロさんの所でも書かれている通り、ロケットを年がら年中作っているわけでは無いので、ロケットオンリーではやっていけません。それに、ず〜〜っとロケットの注文があれば、やっていけるのか?と言われると、私は「勘弁してぇ」となりますねぇ。精度が尋常ではありませんし、加工もかなり無理なことを要求されるので、精神的に持たない面もあります、やるとしても「年に何度かでいいや」となってしまいますね。
なので、「オンリーではやっていけないけども、適度に入ってくる分には、大変おいしい仕事」と言えると思います。
それでも、やはり夢を追いかけるというか、自分の作った部品が、少しでもロケットに関わっているだけで、わくわくしてしまいます。