2005年10月01日

宇宙ビジネスは儲からない?

久々にミナロさんにトラバです。
宇宙ビジネスは儲からないか?というお話で、大変為になるエントリとなっています。

実はうちでも宇宙開発関連のお仕事をしています。
横浜の某企業関連のお仕事を受けるようになると、頻繁にH2ロケットの文字を図面の端に見ることができます。

じゃあ、実際儲かるのか?という話ですが、私の個人的な感覚としては、儲からない仕事とは思わない……、うわ〜〜すごい曖昧……(^_^;)

結論から言うと、「オンリーではやっていけないけども、適度に入ってくる分には、大変おいしい仕事」と思っています。

というのもロケット部品ともなると、ひとつの部品に関しても、必要以上の加工を必要とし、ボルト一本でも「じゃ、ここミスミで」なんてことにはならず、材質も硬質だったり丈夫なものに、加工もそれなりに耐久性を考えた加工となります。

例えばボルトならば、SUS316を使い、ねじ山も航空機用のちょっとネジ山の丈夫な形状の特殊なものを使います。簡単なフランジでも、ジュラルミンを使用し、溶接で済みそうなリブもオール削りだしで加工することになります。表面処理だって特殊なものを使います。
洋服で言えば、全てがスペシャルオートクチュールなわけですよ。

以前人工衛星を載せるだけの台を作成したときも、アルミの削り出しで、組み立て式の台でしたが、径3mちょっとの円形で、組み上げた後の平面公差、穴位置公差0.1以内……(^_^;) 出るわけないじゃん!!と言いながら何とか仕上げましたが……。

作っていて思うのは、ロケットというのは、大きな大きなひとつの試作品の様なもので、全ての加工が1点もの。通常の何倍もかかる方法で製作されています。ですから、必然と価格が上がります。

なので、製品ひとつひとつは、通常よりも高い単価になりますので、どちらかというと、おいしいお値段だと思います。決してぼったくりでなくね、それだけの神経を使い製作しているということでね。
しかし、いくら値段が良くても、ミナロさんの所でも書かれている通り、ロケットを年がら年中作っているわけでは無いので、ロケットオンリーではやっていけません。それに、ず〜〜っとロケットの注文があれば、やっていけるのか?と言われると、私は「勘弁してぇ」となりますねぇ。精度が尋常ではありませんし、加工もかなり無理なことを要求されるので、精神的に持たない面もあります、やるとしても「年に何度かでいいや」となってしまいますね。

なので、「オンリーではやっていけないけども、適度に入ってくる分には、大変おいしい仕事」と言えると思います。

それでも、やはり夢を追いかけるというか、自分の作った部品が、少しでもロケットに関わっているだけで、わくわくしてしまいます。

posted by 若旦那 at 15:16 | 東京 ☀ | Comment(4) | TrackBack(0) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2005年09月30日

デフレスパイラルを止める

最近インターネットのWEBを見ましたという、営業の引き合いが増えてきました。
会社のHPを作ってから、3年ほどたち、時には日に数件問い合わせがあることもあるくらいです。
それはそれで、有り難いことではあるんですがねぇ……、なかなかうまく注文までこぎつけるには、それなりのハードルがあるようです。

先日こんな電話がかかってきました。
「今、外注加工業者をネットで探していまして……、良いものを安く早くやっていただける業者を探しています、数点ですが、お見積もりをいただきたいのですが。」
と……(^_^;)

言葉には出しませんでしたが、そんな業者があるならば、うちもお願いしたいんですが……。

うちは、吉野家じゃないんですからと。

おそらく全世界の企業が、それを目指し、そういう企業を探しているのだと思うんですが、それを言葉に出して「探してます!」といわれたことは初めてです。

まあ、これは極端な例ですが、ネット経由で問い合わせがあるお客さんは、単価引き下げ目当てであることがほとんどです。
しかし残念ながら、うちの会社は安く加工をする業者ではありません。
当然安いほうがお得意さんには良いのでしょうが、価格で勝負する気はさらさらありません。

うちにはうちの得意な加工があり、他にはまねのできない技術も持っている(つもり)です(^_^;)

ならば、良い物を早く適正価格でとしたいところです。
一部では、信じられないような単価で、仕事を片っ端からかき集めている業者もあるようですが、多くの業者で同じようなダンピング競争をしていたら、いずれ製造業全体の規模が小さくなってしまう気がします。

簡単なものは安くても良いけども、難しいものはそれなりの単価で受けるようにしたいものです。
それが、自分の為、そして製造業全体の為になるのではないでしょうか。

なので、冒頭に出てきた、営業さんのお見積もりは当然通るはずもなく、お流れになりました(^_^;)
「こんなに高いんですか?」といっていましたが。
「うちじゃ、普通ですけど?」と答えておきました\(^.^)/

それじゃ、仕事がなくなるのでは?と思う方もいるでしょう。
しかし、技術とサービスの精神があれば、絶対に周りはついてくるってもんです。

安い単価で仕事がたくさんあるより、良い単価でいかに仕事を取るか?のほうが、やりがいがあるじゃぁないですか。

posted by 若旦那 at 22:09 | 東京 ☁ | Comment(4) | TrackBack(0) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2005年09月06日

真夜中の恐怖

このところの不景気の影響で、うちの会社も仕事のやりくりに苦労しています。
お得意さん1社あたりの受注数が減っているので、減った分をお得意さんを増やすことでまかなっている訳です。お得意さんを増やせば、受注数としてはプラマイゼロで、今まで通りの売り上げをどうにか維持して行くことが出来るという、計算です。 あくまで計算ね。(現実はそんな甘くありませんけどね)

その弊害として問題になってくるのが、見積もりなんですねぇ〜。
お得意さんが増えた分だけ見積もり依頼の数が増えてしまいます。見積もりも、きちんと時間をもらえるなら良いのですが、やはり見積もりも急かされるわけで、材料計算から工数計算、納期の計算などをしていると、機械を動かしている時間が無くなってしまいます。
それでも、見積もりというのは、仕事の第1段階であるわけで、これをやらなきゃ仕事も来ません。しかも最近は、あちこちに相見積もりをするのが当然になっているので、レスポンス良く見積もれば、その分、仕事をもらえるチャンスが増えます。

そんなことをやっていると、週に1日くらいは、「ぜんぜん仕事になんね〜〜!!」とぶち切れそうになるくらい、見積もりに振り回されることになります。
そうなると、機械を動かすのは夜になるわけです。

先日も相も変わらず、昼間出来なかった分の仕事を夜中動かしていました。
といっても、そんな過酷な作業をするわけでもなく、時間のかかりそうな仕事を選んで、マシニング君に材料をセットし、夜中のうちにやっつけてもらおうという訳です。

マシニングを動かして、家に帰り、飯食って、風呂入って、ウイイレやって〜〜などと一通りのくつろいで、雨トークなど見ながら、「あはは、あはh」と笑っていると、「がご〜〜〜!!!」と大きな音が工場の方から聞こえました。

ピーンときましたね、こりゃ、機械ぶつけちまったかな?って……。
慌てて家を飛び出して、工場へ。(どこに住んでるんだって? まあ、工場に住んでるようなもんなんで(´ヘ`;))
あ〜〜〜、もっとプログラムを確認すれば良かったなぁ……とか後悔一杯で工場へ着いてみると
あらら?? ちゃんと動いているじゃんか。

どうやら、その辺で誰かが車でもぶつけた音だったらしく、ほっと一安心。
ついでなので、一通りプログラムを見直して、大丈夫なことを確認してから上がりました。

それにしても、夜中にあんな音を立てないで欲しいよ。
お化けよりなにより、よっぽど肝試しになりました(^^ゞ

 

posted by 若旦那 at 19:23 | 東京 ☔ | Comment(1) | TrackBack(0) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2005年08月29日

ドリルの穴あけが呼び通りにあいてくれないってばさ。

久々のトラバです。

精密切削加工の極み! vol.2.1::ドリル加工(ドリル径)について。。。 にて、ドリルの穴あけがドリルの寸法通りに開かないという件で。

うちも同じ様な小径穴あけはやっていて、同じようにドリル径の誤差がでているので、おなじだぁ!と思いトラバさせていただきます。

ドリルの穴が大きくなってしまうというのは、どういう場合があるかというと、いの一番に疑うのはドリルを研いだときにセンターがでていない場合です。ドリルは、構造上2枚の刃の交わる部分がセンターに研ぎ上がっていないと、その分センターがずれて回転することになります。したがって当然ずれた分だけ穴は大きく開くことになります。

次に思いつくのは、ドリルが入っていく際に、すでに切り終わった部分を先端から上がってくる切り粉が擦って削ってしまうというパターンです。 これは、ドリルの種類にもよりますが、ドリルの刃裏の部分のスペースが小さい物に良く起きます。おなじメーカーでも、ロットや径により、刃裏のスペースが違かったりするので、購入するまで分らなかったりで困りものです。

次に、ドリル加工の際には、前加工として、センタードリルによるモミ付けというのをします。これをしないと、ドリルの先端は厳密には尖っておらず、被材に当たった瞬間に刃先がぶれてしまい、正確にあけることができません。なので、精度を要するドリル加工では、必ずセンターモミ付けをします。しかし小径のドリルだと、このモミ付けもかなり精度良くあけてあげないと、このセンターのせいでぶれてまっすぐにドリルが入らず、結果として、入り口付近の径がでないという事があります。
こんな時には、いっそのこと、センターを開けないで、ゆっくりとドリルを入れた方が良かったなんてことも、まま、あります。

以上を踏まえて……

工具屋から届いたばかりの新品なら、大丈夫だろうと思って開けた穴が0.1mmも大きく開いてしまい驚くなんてことが良くあって、そういう場合には、小径ドリルでも思い切って研いでみることにしています。
センターズレ? そんなもんは感覚に任せます(^^ゞ というか、人間の感覚は凄いもので、思いのほかセンターはずれないものです。

そしてこの問題で意外に大きいのが2番目に書いた、キリ粉による上部の削れの方が多いような気がします。刃裏のスペースもさることながら、刃のシャクイの角度やシンニングの取り方、加工する材質などで、傷を付けやすいキリ粉形状が出てきている場合も多いものです。
こういう場合も、やはり自分で研いでしまう方が解決が早かったりします。小径のドリルではシンニングなど出来ませんから、両方の刃をちょっとグラインダーで擦る程度ですが、結構径がでるようになったりします。

私は良く1ミリ以下のドリルを小さいダイヤモンドヤスリで、研いだりします。
当然ルーペ無しでは研げないので、マグネット付きのダイヤルホルダに20倍のルーペを付けられるようにして、覗きながら研いでいます(^^ゞ これ、結構有効ですよ。
ちょっとしたエンドミルのR付けにも便利ですしね。

買ったばかりのドリルで径がでないってのがどうなの? とか思いますが、実際にドリルの径を測ってみると、必ずと言っていいほど、でていますから、後は研ぎ方しかないわけです。
メーカーの研ぎも標準的な研ぎ方なので、アルミやステンレスはだめだめだったりすることも多々あります(メーカーの方すみません)
なので、「なにさこれ?」と思ったら、即グラインダーへ直行がいつものパターンです。
長寿命ならコーティングの乗った刃先が良いかもしれませんが、うちなどのように、試作で少数、精度は出したいという場合には、先端部分のコーティングは捨てて、手研ぎとしてしまいます。
いやいや、手研ぎも侮れませんって。

 

posted by 若旦那 at 20:04 | 東京 ☀ | Comment(6) | TrackBack(3) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2005年07月13日

プロトタイプロボット展

とある研究所から受注をしているのですが、ある部品の納期がうちのスケジュールミスで、遅くなってしまいました。 それが先月のこと。

大丈夫でしょうか?という問いに帰ってきた答えは、「現地へ発送してください」ということで、場所は「愛・地球博 モリゾー・キッコロメッセ」とのことでした。
何をやるのかな?とググってみると、プロトタイプロボット展てなのをやるらしく、それに出展するためのロボットの部品の気配です。

へぇ〜、で・・・いつやるの?  と、日付を見てみると、6/9日からとなっていて、明日からじゃんか!!となったわけです。

こりゃ大変だ!ってことで、機械を総動員して仕上げて、3日遅れかなにかで発送しました。

あれってどうなったかなぁ・・・だいじょうぶだったかなぁ・・・とず〜〜っと気になっていたんですよね。

そしたら、先日KOuさんが、NHKの特集の録画あるよぉって教えてくれたんで、早速「送っておくれ!」となりました。

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posted by 若旦那 at 15:53 | 東京 🌁 | Comment(2) | TrackBack(0) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2005年06月16日

急ぎのお仕事(マフラー編)

maf.jpg すご〜く忙しい。

そんな中、どうしても急ぎでやってもらいたい仕事があるんだけど……な〜んて電話が入ってきました。

あ〜だこ〜だ揉めて、断るつもりで話を進めていたんだけど、値段を聞いたら、社長が“やったら?”と……。

そんなわけで、特急でやるはめになった品物が右のやつ。

なんでも、高級車を改造する際に、マフラーに取り付けるんだそうな。

ぼちぼち開いた穴に、ダイヤみたいな飾りを埋め込んで、ギラギラにするんだって……(´。`)

趣味悪い気もするけど、、、ま、仕事だからね、作りゃぁいいのよ。

てことで、やりましたよ、やりました。半徹状態で必死こいて。
ケツかっちんで、不良をだしたら、ハイそこでお終いみたいな、緊張の中で仕事をするのは、健康によくありません。
きっと最後の方で、おしゃか作って、ぎゃ〜〜〜!!!ってなって、発狂するんだろうなぁ……なんて考えながらやってました。

ところが、不良も出さずにうまいことできあがりました。それも納期すれすれで。
頭フル回転で、急いでやってて、よく不良を出さなかったなぁって、自分でも不思議。

あんまりの急ぎで、できあがった瞬間に持って行かれちゃったから、写真も撮れなかった(´ヘ`;)

posted by 若旦那 at 19:55 | 東京 ☔ | Comment(2) | TrackBack(0) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2005年04月14日

ローレット加工

こういう部品を加工しました。

s-ローレット.jpg

ありがちなネジのツマミですが、このギザギザの加工って結構難しいんです。

このギザギザをローレットと言います。

切削加工は普通、刃物を当てて削っていくわけですが、このローレットはギザギザのローラーを押し当てて、模様を膨らませることで、ギザギザを作ります。これを転造というのですが、本来ならば転造専門業者に頼む加工ですが、1個2個の仕事はやってもらえません。
なので、仕方なく自分でローラーをゴリゴリ押し当てて加工するわけです。

ところが、品物1周とローラー1周が微妙に合わないと、ギザギザが2周、3周とずれていくことになり、ダブってしまいます。というか、殆どダブることの方が多くて、ちょっと径をマイナスしてみたり、色々小細工をして、強引に合わせたりと大変な思いをします。

ようやく山が合っても、材質がこの画像の快削真鍮の様にサラサラしているものだと、無理矢理盛り上げている為に、山が崩れてしまったりします。うちの会社は、小さい部品を多く扱うので、こういったツマミとかの注文が多く、このローレット加工が気に入らないと、どうしても納入に自信が持てなくて、いや〜んな思いをしていました。

そんなある時、切削ローレット工具というものを知り、早速購入してみました。
これは、今まで押しつけながら加工していたローレットを、ローラー部分を斜めに当てて、刃物代わりに切削することで山を作ります。

その工具で切削した品物がこの写真です。
綺麗に山が形成されています。

今まで綺麗に出来なかった加工が、ここまで綺麗に行くと、自信を持って納入出来るってもんです(^。^)

posted by 若旦那 at 09:41 | 東京 ☀ | Comment(3) | TrackBack(1) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2005年03月28日

ちっちゃいギア加工

今日の加工品です。

s-P1020129.jpg

なにに使うんでしょうか? ちっちゃなギアです。(手が汚いのはご愛敬(^^ゞ)

本来なら、歯切り業者に投げるのですが、この形状では色々と問題があり、仕方なくマシニングで加工することになりました。

0.5mmのエンドミルで、ちょこちょこと削りました。なかなか良い形でしょ?

これの相手もうちで削ってて、キチンと組たてて動かすと、「うぉ〜〜〜!!」すげぇ、回るじゃん!

てなわけで、こういう楽しいお仕事もあるんです(^。^)

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加工しにくい図面って

ミナロさんの所からトラバを受けて、トラバ返しのエントリです。

加工しにくい図面って、どんな図面?ということで……。まあ、文句をあげれば色々あるんだけども、思いつく物から並べていくことにします。

■基準が何カ所にもある図面
寸法線があっちこっちから基準を取っていて、いちいち加工する際に寸法を計算しないとだめな図面って良くありますよね。基準を複数設定する必要性があるのも分るけども、これが原因で不良になることが良くあります。いわゆる計算間違いね。

■寸法線が異様に長いもの
たとえば、大きめな板に小さい四角穴や長穴があちこち空いている場合、一番良いのは部品基準面から穴の基準までを書き込み、穴寸法は穴のそばに書くのがもっとも見やすい。これが、全て部品基準面からの距離で書かれていると、寸法線が外に向かって沢山引かれることになり、どれがどれの寸法線だかがわかりにくくなります。当然不良の原因になります。

■図面変更の多いもの
図面変更の多いものもなぜかやりにくいです。前回やった物と同じ様な格好なのに、ちょっとずつ寸法が違うというのが最もいやらしい。しかも△で変更点を謳ってあれば良いのだけど、それがないと、どこをどう変えたのやら、まるで間違い探しをしているような状態になります。 一カ所でも見落とそうものなら、まだ加工に入っていないその時点でNG決定です。 これって私がいけないでしょうか??と言いたくなる事もしばしば。

さらに、図面変更を別図面で出してくるところもありますね。これは大手に多い気がします。うちで頻繁に請け負う、大手飛行機&ロケットメーカーなどがこの形式です。大きな本図があり、その中の一部分だけが変更になった際に、変更部分だけの拡大図をA4で送ってきます。変更が何カ所にも及ぶ場合には、その変更分だけ何枚も変更図面だけが増えていくわけです。基本的に本図に変更を加えていき、加工に入るのですが、これも途中で間違いの起きる確率が多くなるわけで、嫌ですねぇ。

■寸法抜けがあるもの
もうこれは問題外! と思いがちですが、結構多いです。すぐに担当者に連絡が付きけば良いのですが、そうはうまくはいかないもので、連絡がとれるまで機械が止まってしまうことも多いです。

■フォントが小さいもの
CADとインターネットが普及したとはいえ、まだFAXで図面のやりとりが主流ですから、孫請けやひ孫請けの仕事になると、途中のFAXで文字が潰れて見えないことが良くあります。
見えないなら、聞けば良いわけですが、どう見ても8にしか見えない寸法は、実は6とか5だったという事が、年に何度かあります。せめてもう少し大きなフォントを使ってくれると良いのですがねぇ。

■寸法精度が異常なもの
最近特に増えてきたのが、寸法精度が異常なほどうるさいもの。
CADが増えてきたからなのか、現場を知らないからなのか。あまりにも寸法がうるさくて、組立ててみたら、ぎちぎちで動かなかったというのが良くあります。しかも設計者は、動かないのは加工精度が出ていないからだ、といわれることもあります。とんでもない濡れ衣ですよね。
設計が現場を知らない、適正公差を分っていないということに、なかなか気が付かないのには困りものです。
これだから、ロケットが未だに安心して打ち上げられないんですよ。今のままじゃ有人飛行なんて怖くてできないでしょう。

などなど、挙げるときりがないほど出てきます(^^ゞ

とにかく、設計もせめて1,2年はヤスリがけから始めて、ボール版、旋盤、フライスくらいは一通りやってもらいたいですね。

加工しやすい寸法の追い方はどうか? 旋盤で出来る形状、フライスで出来る形状くらいは、理解をして設計してもらいたいです。 いくら3DCAD上で、巧に動く形状を作り上げても、それを製作するのに加工手数をかけなければならなかったりすれば、単価も跳ね上がるわけですからね。

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2005年03月13日

タップが折れたぁ……(T_T)(BlogPet)

きょうBaronが切削するはずだったみたい。


*このエントリは、BlogPetの「Baron」が書きました。
posted by 若旦那 at 10:20 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2005年03月05日

ああ、勘違い……

久々にKOuさんところにトラックバックです。

機種依存文字によるおかしな勘違いというお話ですが、仕事をしていると、こういった話はよくあるものです。

そんな勘違いのお話が、うちの会社でもありました。

うちの会社では削れる物はなんでも削りますよというのが売り文句で、金属はもちろん、樹脂(プラスチック)、ゴムなどなど、ありとあらゆる物を削ってくださいなという依頼があります。

そんなある日、注文図面数十枚の中に、“木”というのがありました。
なぜかその部品だけ木なんです。他はアルミとかステンレスなのに。

不安になって、お得意さんに聞いてみると、やはり木でOKということ。材質は問わないが、木が良いと……。
ま、理由はともかく、木がよいということなので、木で製作することに。

品物の大きさは板厚5mmを150×150の大きさにカットし、真ん中に100くらいの丸い窓をあけるという、手のひらサイズのもの。
試しに工場にあった木材を、フライスで削ってみると、削れるには削れるけども、どうも綺麗じゃない。やっぱしここは専門家が良いのでは?ということで、工場を建設してくれた土木やさんに電話をすると、快くOKのお返事。

ここからが、勘違いの始まりだったんだなぁ……
posted by 若旦那 at 12:13 | 東京 🌁 | Comment(6) | TrackBack(0) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2005年03月03日

いやぁ、こんなに遅れちゃっていいんだろうか……

ロボット部品先日、風邪をひいて休んでしまったしわ寄せの中に、某自動車メーカーの女子高生サイズのロボットくんの部品がありました。

こんなに遅れて良いのだろうか……と思っていたら、案の定催促のお電話が。

「どうしても今日送ってください!!」とのこと。

やべ〜〜よな、そりゃ。

ってことで、急いで製作。 不良もなく完了。
良い仕事してますなぁ\(^_^)/ 自画自賛

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2005年03月02日

タップが折れたぁ……(T_T)

タップが折れたぁ!日頃から切削加工をしていて一番嫌なのは小さい径のねじ切りだったりする。

今回もM2(直径2mm)のタップ加工(ねじ切り)を残して全て加工が終了。
あとはM2のタップを立てるのみというところで、タップを折ってしまった(T_T)

画像中央付近の穴にしっかりと折れたタップが入ってしまい、もうどうにもこうにも抜けそうにない。

一つ余分に作ってはいるけども、この一つの失敗で後が無いわけで、凄いプレッシャー。

タップの首が少し太いやつに換えて、しかもねじれていないストレートタップに変更して、どうにかしのぎました。

もうね、M2とかM1.6とかそういう細いのはやめようよ。心臓に悪いです。
年取ったら、タップが折れたことでショック死しそうです(^^ゞ

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2004年12月28日

衛星打ち上げを海外に委託だとさ

衛星打ち上げを海外に委託 宇宙機構、27年ぶりに - asahi.com : サイエンス

こんなんが流れてきた。

あのさ……、この師走の忙しいときに、ロケット関連の見積もりを山のように抱えている状況で、こんなニュースって悲しくないか??

なんでも海外だと10分の1の資金で打ち上げてくれるんだそうだ。
そりゃぁ委託したくなる気持ちも分るけどね……。

でもね、値段が上がってしまう背景ってのが十分にあるわけで、その辺の背景の整備をしてくれれば、もっともっと値段も下がって、成功率も上がると思うんだよね。

実際、この図面で、本当に良いのか?って思う部分が沢山あったりする。

見積もり段階だから、これでいいだろ?みたいないい加減な図面を出されては、こちらも怖くてドンピシャな金額は出せないから、どうしても保険をかける意味で、いくらか高くなるしね。

てなわけで、非常にタイムリーなニュースだったんで、飛びついてみました。

また、時間ができたら、この辺の話は書きたいと思います。

posted by 若旦那 at 10:40 | 東京 ☀ | Comment(0) | TrackBack(0) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2004年12月22日

テーパーの不思議

ものづくりというお仕事を始めて、驚いたことの一つがテーパーというものでした。

テーパーというのは太い径から細い径に徐々に変化しているシャフトの事をいいます。野球のバットなどもテーパーになっていますし、釣り竿もテーパーになっています。

このテーパーというのは、それぞれ目的があってこの形状を成しているわけです。野球のバットならば、遠心力を利用しやすい用に先端を重くするために、先端部分を太くしています。 釣り竿はその逆で長い竿を見かけより軽くする為に、先端へ行くほど細くしています。

このように、テーパーってのは気づかないけれど、気づかないところで重要な機能を担っています。

モールステーパーこのテーパーの仕組みに一つに、テーパーシャンクというものがあります。
機械などの切削工具、ドリルや治具を取り付けるための仕組みの一つで、この写真の様な形状をしています。

これは旋盤で品物のセンターを補助する為の工具ですが、右側のテーパーを機械側に刺して固定します。

この固定方法が不思議なのです。
機械側にはこのテーパーと同じ形のメスのテーパー穴が開いていて、この工具を勢いよくメステーパーに入れると、“トン!!”という感じではまります。
このままじゃ、何かの衝撃ですぐに抜けてしまう気がしますが、不思議なことに絶対に抜けません。
軽くストンと入れただけで、手では抜けない程の力で把握されて抜けなくなりますから、勢いよくハマると、裏側からかなりの力で突かないと抜けなくなります。
不思議でしょぉ?

小さい頃、瓶の口に指を入れたことありませんか? (まあ、大きくなってもやる人が希にいますが……。)
あれはこの仕組みに似ていて、ぴったり行ってしまうと、確実に抜けなくなりますから、気を付けないといけません。

このテーパーで固定する利点は、なんと言っても芯が出ることです。
ストレート同士のスレーブでネジ止めなどにする場合は、穴とシャフトが±0では絶対に入りませんから、必ず穴がプラス、シャフトがマイナス寸法になっています。どんなに精密に作っても、最低±0.005程度の隙間が無いと、通常の方法では入れることができません。なので、結果的に必ずその隙間分だけ芯の誤差が生じます。
対してテーパー同士ではめ合った工具は、お互いのテーパー同士で、センターに寄せ合う構造になっていて、テーパーが多少ずれていても、確実にセンターに落ち着きます。
ただし、突き詰めていくと精密に作ったストレートのはめあいの方が精度が出るらしく、最近の超精密物では金属の熱膨張を利用してクランプする焼き嵌めという方法も出てきています。

簡単な製造方法で、確実にフィットさせるというテーパー構造はいろいろなところに応用されていて、水道管などをつなぐネジ部分もテーパーネジという物が使われていて、ねじ込んでいくことで、テーパーにより隙間を無くし、水漏れを防ぐ方法が採られています。

他にも色々日常生活で役に立っているテーパー構造、皆さんも探して見てください、なるほどぉと思うこと受けあいです。

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2004年12月19日

ネットからの一見さんに注意かも……(こうさぎ)

きのうは悪化されたみたい…
baronは、
このエントリーはTrackbackPeopleに参加していますさすが師走だけあって、どれから手を付けたら良いか分らない状況。
 しかも、どれから手を付けたら良いか分らない状況。
 しかも、どれから手を付けたら良いか分らない状況。
 しかも、どれから手を付けたら良いか分らない状況。
 しかも、どれからやっても、結局納期遅れ続出の気

といってました。

*このエントリは、こうさぎの「Baron」が書きました。
posted by 若旦那 at 10:19 | 東京 ☁ | Comment(0) | TrackBack(0) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2004年12月11日

ネットからの一見さんに注意かも……


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さすが師走だけあって、仕事がびっちり詰まっていて、どれから手を付けたら良いか分らない状況。 しかも、どれからやっても、結局納期遅れ続出の気配濃厚だったりする。

そんな中、困ったことに直面しています。

うちの会社も生意気にHPなぞ立ち上げて、製品加工見本を見られるようにし、ネット経由での受注をしています。

今やネット関連のお得意さんは、メインであるお得意さんの5割程度にも及んでいる。

ネット受注で成功したお得意さんと呼べるのは、やはりリピート注文を何度もしてくれているお得意さんです。しっかりと統計を取ったわけではありませんが、体感的にはネットで取引をしたお得意さんの約2割〜3割程度からリピート注文を頂いています。

特に営業をせずともネットの製品見本を見て、仕事をもらえるのだから、会社としてこんなに便利なものはありません。なので我が社でも、大変重宝しています。

ところが、そんなネット経由のお客さんでも、一部にとっても困ったお客さんがいるのも事実です。
それは、お金を払ってくれないお客さんです。

もう1年以上前の話です。
とある名○屋の宝石屋さんから「ネットを見て電話したのですが……」と連絡が入りました。
いつものように、用件を聞くと、なにやら新製品の開発で、試作品をいくつか作って欲しいとのこと。
とはいえ、図面があるわけでもなく、ちょっとしたイラストがFAXで来るだけで、それを基に作って欲しいという話でした。初期注文として50セット製作までを6万だか8万だかで受注しました。

その部品はネックレスなどを止める部品なのですが、新しく特許を取得した部分ということでした。
しかし、私からすると、若干強度不足が否めない感じだったので、その事を伝えると、それでも、試してみたいから作って欲しいとのことで、早速製作にかかりました。

部品自体は非常に小さなもので、これだけに6万も!?という感じで、使えそうも無いのに、いいんだろうか……?などと思いながら作っていました。
製作を始めて半ばまでいったところ、部品のはめあいを確認して欲しかったので、数セットだけ先方に送る事になりました。先方ではめあいを確認して、寸法調整などをしてから後の加工に入る予定でした。

……が。

待てども待てども、連絡は来ません。

仕方なく、こちらから電話を掛けても、あいにく留守。

そのうちに、こちらも待っていられないので、段取りをはずし、他の仕事に取り掛かっているうちに、あっという間に日にちが過ぎてしまいました。 恐らく本人としては、最後まで作っていないのだから、費用はトンズラしてしまえばいいや程度の考えなのでしょう。
結局、あの部品のお金はもらえず終いです。

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2004年11月23日

CAD普及による弊害


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先日のエントリもやっとボール切削秘話 part3 のコメント欄でyantoさんとのやりとりから

>>で、実際出来上がると、「うわ! でっけ〜〜!」と言われたりね。

そういう事は多々あります。
大きさだけならいいんですが、強度的に問題があったりね。
出来上がった時に、「ヤバイ」って補強とか修正加える羽目になったり。
うちは最終的に図面もチェックして製作に入ってもらうようにしてますが、その時が一番神経使います。

こんなやりとりがありました。

CADという物が登場して、長らく経ちました。CADのデータを使うことで、製品ができあがるまでのサイクルタイムは劇的に向上しています。しかし、CADオペレータや設計者の加工への理解度が低かったり、そもそも設計者の経験が浅いなどが原因のトラブルが多いのも事実です。

上のコメントにもあるように、設計者が思い描いている製品の大きさと、実際にできあがる製品の大きさにギャップが出やすくなるようです。
それというのも、旧来のドラフタなどで手書きで書かれる図面の方が、設計者が大きさを正確に意識しなければ書けないからで、逆を言うと、CADでは本来の製品の大きさを正確に判断するのが難しくなっています。

図面は基本的に等倍で書きますから、100mm角のサイコロは当然100mmの線で書くことになります。4面図にしたければ、A4では足りませんからA3にしたりします。ところが、紙の大きさを変えるだけでは足らない場合には、尺度を変えて、1/2にしたり時には2倍にしたりして対応します。
ですから設計者が基本である等倍の大きさを分かっていなければならず、その大きさの用紙を使うか、倍率はどうするか?を設計者自身が決めなければならないのです。これは基本でありながら、非常に重要な要素の一つです。
CADで設計が多かったり、そもそもCADでしか設計をしたことがないと、この大きさの感覚というのが無くなってしまいます。CAD上では、大きさは自由に拡大縮小できますから、1000mm角のサイコロも10mm角のサイコロも、全く同じ様に画面には映ります。実際には尺度を変えて表示しているのですが、それをパソコンが自動的にやっているので、尺度を変えているという感覚が人間には感じられなくなり、無意識のうちにその感覚がなくなってしまいます。

そんな背景から、出来上がりの大きさを想像できない設計者が多いのが現実です。
この問題は大したことが無いように見えて、実は結構深刻で、上記コメントでyantoさんがおっしゃっていた、強度という点でも問題が出てきます。
大きさが正確に把握出来ていないということは、重さも把握しずらくなり、さらには構造物の強度計算も甘くなる傾向にあります。
ここ最近かなり普及してきたCAEなどを使えば、構造強度計算も容易にはなってきていますが、CAEもいわゆるツール(道具)の一つですから、適切なテスト方法など熟練が必要になります。

そんなこともあり、うちの社内で受けた仕事を加工する際には、その製品がどういう場所に使われるか、単品であっても、その部品にはめ合わされる部品の公差を聞いたりと、その部品の機能について、十分に考慮した加工をするように心がけています。

しかし、この配慮も変にプライドの高い設計者などには、単なるお節介だったりすることもあるようで、「ここはこうした方がトラブルが無いのでは?」というアドバイスに“余計なことを言うな”的なお叱りを受けたりすることも、ままありますね。
いわば、加工屋は図面通りの物を作っておけば、それでいいだよ!という事なのだろう。
大抵そういうときは、その組み物はトラブルだらけだったりして、製作日数よりも修正に時間がかかったりするものです。ただ、そういう設計者はそのトラブルの原因すらも、こちらの公差が出ていないからだなどと、責任転嫁したりしますから、始末が悪いです。
こういう事があると、お互いに良い物を作りましょうという姿勢が無い設計者は嫌だなぁと思いますね。

部品の構造には、部分ごとに役割があり、その役割を分かった上で加工するのと、そうでないのでは、全体の仕上がりに雲泥の差があることを、設計者には分かって頂きたいですねぇ。

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posted by 若旦那 at 13:33 | 東京 ☀ | Comment(1) | TrackBack(0) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2004年11月18日

もやっとボール切削秘話 part3


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もやっとボール切削秘話 part2の続きです。

前回プログラムを作る所まで行きました。今回はいよいよ削りに入ります。

マシニングセンタに素材を取り付けます。ここで登場するのはインデックスホルダと呼ばれる治具で、素材を取り付けたまま軸を中心に360°くるくると回転させる事ができます。
これで、90°ずつ回転させて4方向削ろうという計画です。

まずは1行程目、上方向から荒削り。
使用工具はφ2フラットエンドミル。
行程1荒
何となく形になっているでしょ?

次に仕上げ、使用工具はφ2ボールエンドミル。
行程1仕上げ
綺麗に仕上がりました。

アンダーになっている部分が削れていませんが、今はこのままでOK

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posted by 若旦那 at 15:45 | 東京 ☁ | Comment(3) | TrackBack(0) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
2004年11月09日

もやっとボール切削秘話 Part2


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前回お話したもやっとボール切削秘話 part1の続きです。

さて次はプログラム作りです。

データをCAM(プログラム作成ソフト)で読み込み、荒削り用の刃物、仕上げ用の刃物を決め、削る範囲、削っていくピッチなどなど、必要なデータを入力し、カッターパスを計算させます。
ピッチを細かくすれば、切削抵抗が減り、機械にやさしくなりますし、切削がきめ細やかになり、綺麗にできあがります。
工具についても、大きな工具は切削抵抗が大きくなりますが、Rが大きくなる分ピッチを荒くしても、残り山の高さが低くなるので、綺麗に仕上がるなどなど、その場その場で、経験を生かして工具を選んでいくと、効率が良くなります。

image/monohonblog-2004-07-06T19:04:41-1.jpg計算させている間に、機械の段取りをしてしまいます。
ここで登場する機械はマシニングセンタという機械。
右のはFANUCのロボドリルというマシン。

この機械はフライス盤という機械をコンピュータ制御で動くようにし、さらに工具を自動交換(ATCオートツールチェンジャー)出来るようにしたもので、汎用機では出来ないような加工や長時間無人運転が可能になります。この機械のおかげで切削業界の常識ががらっと変わってしまったといっても過言ではありません。
さらに、近年の高速加工技術によって、今までの常識がどんどんと覆されています。

工具この機械で使う工具は色々あります。
右の写真は代表的な物です。
一番左がご存じのドリルで、もちろん穴を明けるものです。
真ん中はエンドミルと呼ばれるもので、ドリルの先端が平らになったような形をしています。ドリルと違って、先端ではなく側面を削る為の工具です。
一番右がボール状のエンドミルです。曲面形状を3次元加工する際にはこの工具を使用することが多くなります。

CAM画面そうこうしているうちに、プログラムができあがります。
今回は等高線加工で単純にスライスさせたパスを出してみました。

白い線が刃物が動く軌跡です。今回はφ2のボールエンドミルを使いました。
地図の等高線と同じように、等間隔に軌跡が描かれていますので、品物から刃物の径だけ離れた位置を、覆い被さった絵になります。
画面で現われているのは仕上げの軌跡のみですが、実際には、荒削りをした後、仕上げ加工となります。
白い軌跡の中で水色になっている部分は、刃長より上が当たってしまう部分で、ちょうどこの部分がアンダーカットになり、本来は削りたいけども、こちら方向からは削れない部分です。この部分はほかの方向から削っていくことになります。

等高線の性質として、急斜面は細かく、緩斜面は荒く線が引かれるので、荒い部分には間をさらに細かいピッチで埋める工夫が必要です。

さて、次はいよいよ実際に削ってみます。

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posted by 若旦那 at 19:44 | 東京 ☀ | Comment(4) | TrackBack(0) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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