2004年10月06日

CAD/CAMのお話

先日、「ものづくり本音ブログ: ワーキングモデル作成のお仕事」というエントリー内で、びおびおさんにパソコンでは何ができるのぉ? というお話がありました。

モノを作る仕事というのは、数限りなく色々ありますが、その中でも3K、4Kと呼ばれる加工業を私は営んでいます。しかし3Kとは言いつつも、IT化が進み、ちょっと昔の工場のイメージではなくなってきているのも事実です。

そんなIT化のひとつはCAD/CAMと呼ばれるシステムです。
CADはもう皆さんご存知のComputer Aided Designです。一方、CAMはComputer Aided Manufacturingです。
(略については諸説ありますが、ここではこういうことで)
つまり、コンピュータで工場生産を支援しましょってこと。

昔ならば、機械を操作するおじちゃんが、軍手して油まみれになって、えっちらおっちら動かしていたやつを、コンピュータで動かしちゃえば早いじゃんというお話。つまり軍手で油まみれのおじちゃんの代わりにコンピュータが機械につながっているわけです。
このおじちゃんがコンピュータになったおかげで、私たちのお仕事は、3KのKがちょっとばかり薄らいだかな?という印象です。

実際のCAD/CAMの流れは先日のエントリーのとおりで、やっていることのほとんどがパソコン上での作業です。(実際には半分くらいかな)

CADで製品を作り、CAMでそのデータ通りに工具を動かすプログラムを作ります。
その後、パソコン上のシミュレータでテスト加工をします。
パソコンの中に機械があるかのように動作をし、危険が無いかをチェックできます。
パソコン上ですから、ミスをして工具をぶつけようが、機械もろとも削ってしまおうが、この時点でのミスは容易に修正可能です。
ミスが無いことを確認したら、本物の機械にプログラムを転送して、実行すれば、機械が「うい〜〜〜〜ん」と音を立てて、材料を削っていくことになります。

大手の工場などでは、完全に分業制が進んでいて、このパソコンでできる部分は別部署で作ったりしています。すべてがパソコンでできるので、それこそ別の社屋でもOKですし、外国の機械を動かすことも可能です。
ですから、どんどんと性能の良い日本製の機械を、雇用の安い中国へ輸出すると、日本でプログラミングして、中国で製造するということができてしまい、「製造業の空洞化」のような問題が出てくるわけです。
せっかくのお家芸だった製造業をおざなりにし、日本のソフトウェアが優秀であると誤信していたために、プログラムが日本、工場を中国という目論みだったのが、実際はプログラムすら他国に持っていかれている状況です。 中国に技術支援?経済支援? やってる場合か!!って思います。そのお金を日本の企業に使えよ、まったく。

おっと、すげ〜話がそれまくりですな(^^ゞ
話を戻しましょ。

こういったことから、現在の製造業のお仕事の50%〜70%くらいが、パソコンとのにらめっこになっています。品物によっては、CAD上でデータさえ出来上がれば、ほとんど仕事が終わりというような品物もあります。しかしその分だけCADデータの重要性が上がったわけで、CADデータの質、精度が要求されます。CADデータで100分の1の誤差もなくデータを作らなければなりませんから。

そうなると、CADの使いやすさ、精度の良さが仕事の進捗にモロに効いてきます。

次はそんなさまざまなCADの種類などについてお話しする予定。

posted by 若旦那 at 08:08 | 東京 ☔ | Comment(9) | TrackBack(1) | 加工日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
こんにちわ、若旦那さん。
CAD/CAMのお話凄いですね。
大変な時代になりました。

ようするにCADが頭でCAMが
伝達神経って事ですか?

ちなみに1番ポピュラーなソフトは
どれですか?

平均的なお値段はどれくらい
ですかねぇ。
Posted by NOBI at 2004年10月06日 08:28
CAMのシミュレータの精度が問題だという話を聞いたことがあります。
まだまだ細かいところでは、改良の余地がありそうですね。
だからこそ、旦那のようなCAD/CAMの職人さんが求められていると言うことですな。
精進してね。(^^ゞ(偉そう(>_<))
Posted by Kazkun at 2004年10月06日 09:10
興味があったお話がはじまって、うれしいです。
ありがとうございます。
第一回目から、こんなに長文。。。
なんだか、申し訳なかったかなあ〜。と思ってます。
が、連載を楽しみにしてます。(笑)

読ませていただきながら、
「自分は何がしたいのか、なにができるのか」を考えてみます。
(わ〜、どきどき、わくわくする!)
Posted by びおびお at 2004年10月06日 09:20
■NOBI太さん
>ようするにCADが頭でCAMが
>伝達神経って事ですか?

良い表現ですね。
こういうのが苦手なんですよね(^^ゞ

ちなみに一番ポピュラーなソフトってのは無いような気がしますよ。
展示会に行っても、どのソフトも出荷数○○シート!とかって書いてあって、どれもがメジャーソフト気取りだったりします。
実際買ってみると、使えない奴だったりは良くある話ですしね。

値段も数十万〜数千万までピンキリですが、高ければ良い訳でもないので、困ったものです。

今は試用させてもらえる販売店も多いので、実務で使って判断するのも良いと思います。
Posted by 若旦那 at 2004年10月06日 10:26
断片的に知っている(&知っているつもりでいた)知識が構造的に再構築できて、前回同様とても面白いです。

こういう現役現場者が「13歳のハローワーク」ノリで実務紹介文を書くっていうのは、面白いかもしれませんね。

そういうTBPでも作ってみましょうか?
真面目系なので、新聞とかTVとか取り上げてくれる可能性高し、ですぞ!
Posted by KOu at 2004年10月06日 11:01
■Kazkunさんへ
シミュレータについて詳しく書くと、またエントリーがいくつかいるのでは?と思うくらい、いろいろあったりしますが。
正直シミュレータに精度は必要ないかなぁ。あったほうが良いけども、速度を犠牲にしてまで欲しくはないという感じ。
シミュレータで一番知りたいのは、刃物が早送りでどこかに衝突しないか?ということ。
それさえ分かれば、あとはモデルの精度と経験と勘でどうにかなっちゃう。

■びおびおさんへ
いやいや、自分でも何かにまとめておきたいなぁとは思っていたので、ちょうど良いです。

■KOuさんへ
いいっすね、そのTBP。
単なる会社の宣伝は無しよってお約束でやると面白いかもしれませんね。
エントリー少なそうですけど、作りましょうか?
作ったら、KOuさんもエントリーしてくれる?
Posted by 若旦那 at 2004年10月06日 15:32
>作ったら、KOuさんもエントリーしてくれる?

うん、いいだしっぺだもん。書くえ。
でも、うちの仕事ってけっこう特殊なんだよね〜。でも「へぇそんな仕事があるんですかぁ!」って思われるかも?その方が「13歳のハローワーク」っぽいかな?

まずはじめてみて、順調に動きそうだったら、折角書いてもらったので、どこかにマトメログサイトを作りません?面倒ではない程度で。それぐらいはボクもやりますえ。

ある程度まとまってて(リファレンス的)、且つ読みやすかったら、マスコミやキムタクさんところとかが取り上げてくれると思うよ。


んじゃ、書き始めますわ。
Posted by KOu at 2004年10月07日 11:06
びおは、だいぶ前に「13歳」だったけど、いいですかね?(笑)
楽しみにしてます。
Posted by びおびお at 2004年10月07日 14:20
13歳の〜だと、あまりにもなんか……なので。
「ブログのハローワーク」としておきました。

さて、いつ頃承認されるのかな?
Posted by 若旦那 at 2004年10月07日 14:51
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