ミナロさんの所からトラバを受けて、トラバ返しのエントリです。
加工しにくい図面って、どんな図面?ということで……。まあ、文句をあげれば色々あるんだけども、思いつく物から並べていくことにします。
■基準が何カ所にもある図面
寸法線があっちこっちから基準を取っていて、いちいち加工する際に寸法を計算しないとだめな図面って良くありますよね。基準を複数設定する必要性があるのも分るけども、これが原因で不良になることが良くあります。いわゆる計算間違いね。
■寸法線が異様に長いもの
たとえば、大きめな板に小さい四角穴や長穴があちこち空いている場合、一番良いのは部品基準面から穴の基準までを書き込み、穴寸法は穴のそばに書くのがもっとも見やすい。これが、全て部品基準面からの距離で書かれていると、寸法線が外に向かって沢山引かれることになり、どれがどれの寸法線だかがわかりにくくなります。当然不良の原因になります。
■図面変更の多いもの
図面変更の多いものもなぜかやりにくいです。前回やった物と同じ様な格好なのに、ちょっとずつ寸法が違うというのが最もいやらしい。しかも△で変更点を謳ってあれば良いのだけど、それがないと、どこをどう変えたのやら、まるで間違い探しをしているような状態になります。 一カ所でも見落とそうものなら、まだ加工に入っていないその時点でNG決定です。 これって私がいけないでしょうか??と言いたくなる事もしばしば。
さらに、図面変更を別図面で出してくるところもありますね。これは大手に多い気がします。うちで頻繁に請け負う、大手飛行機&ロケットメーカーなどがこの形式です。大きな本図があり、その中の一部分だけが変更になった際に、変更部分だけの拡大図をA4で送ってきます。変更が何カ所にも及ぶ場合には、その変更分だけ何枚も変更図面だけが増えていくわけです。基本的に本図に変更を加えていき、加工に入るのですが、これも途中で間違いの起きる確率が多くなるわけで、嫌ですねぇ。
■寸法抜けがあるもの
もうこれは問題外! と思いがちですが、結構多いです。すぐに担当者に連絡が付きけば良いのですが、そうはうまくはいかないもので、連絡がとれるまで機械が止まってしまうことも多いです。
■フォントが小さいもの
CADとインターネットが普及したとはいえ、まだFAXで図面のやりとりが主流ですから、孫請けやひ孫請けの仕事になると、途中のFAXで文字が潰れて見えないことが良くあります。
見えないなら、聞けば良いわけですが、どう見ても8にしか見えない寸法は、実は6とか5だったという事が、年に何度かあります。せめてもう少し大きなフォントを使ってくれると良いのですがねぇ。
■寸法精度が異常なもの
最近特に増えてきたのが、寸法精度が異常なほどうるさいもの。
CADが増えてきたからなのか、現場を知らないからなのか。あまりにも寸法がうるさくて、組立ててみたら、ぎちぎちで動かなかったというのが良くあります。しかも設計者は、動かないのは加工精度が出ていないからだ、といわれることもあります。とんでもない濡れ衣ですよね。
設計が現場を知らない、適正公差を分っていないということに、なかなか気が付かないのには困りものです。
これだから、ロケットが未だに安心して打ち上げられないんですよ。今のままじゃ有人飛行なんて怖くてできないでしょう。
などなど、挙げるときりがないほど出てきます(^^ゞ
とにかく、設計もせめて1,2年はヤスリがけから始めて、ボール版、旋盤、フライスくらいは一通りやってもらいたいですね。
加工しやすい寸法の追い方はどうか? 旋盤で出来る形状、フライスで出来る形状くらいは、理解をして設計してもらいたいです。 いくら3DCAD上で、巧に動く形状を作り上げても、それを製作するのに加工手数をかけなければならなかったりすれば、単価も跳ね上がるわけですからね。






若旦那の指摘、沢山でるわでるわ、読んでて苦笑ってしまいました。
とくにフォントが小さくてFAXで送ると8に見えてしまう事は図面以外でもよく起こります。
スキャナーもネットも進歩しているのにFAXの文字は進歩しませんね〜
ちと話がぶれましたが、この設計vs現場の議論はもう少し進めたいと思いますので、今後とも宜しくお願い致します。
■寸法線が異様に長いもの→見やすい図面を心がけていきます。これもCADデータを使ってプログラムを組んでいれば何の問題も起こらないと思います。検査では苦労するかも知れませんが。
■図面変更の多いもの→難しい精度や無理のある設計を出来るだけ避けるようにしています。上記のケースでは確かに変更箇所だけしかわからなくなるため、非常に迷惑かと思います。ちょっと自分勝手な考え方すぎますね。あとでチェックする設計者も判りづらいのでは?
■寸法抜けがあるもの→作業者の注意力によりますが、最近では設計者とは別の人が図面を書くケースが非常に増えていますので、それが原因とも考えられます。情報として上がってこない場合がありますが現場でもミスはあるかと思いますのでご勘弁下さい。加工業者によってはここの寸法を間違えてしまったが使えますか?と問い合わせが来たりします。本当ならダメと言いたいところですが納期などの関係もあり渋々了解するしかないこともあります。持ちつ持たれつな部分と思います。
■フォントが小さいもの→設計者の若年化や現場への気遣いの仕方が判らない人が増えていることが原因のようです。しかし時代の流れとしてFAXでなくメールで図面の授受が出来る環境は欲しいものです。図面は画像でなく線や文字情報として扱えるPDFが拡大しても潰れず非常に見やすく便利かと思います。
■寸法精度が異常なもの→経験不足です。いや、長年設計していても判らない人は判らないでしょう。機械の精度や考え方が判っていない人が増えたのは、派遣や外注といった人の増加に起因しているかも知れません。私の職場にも不勉強な方がおりまして、そういった人に多いのは、あまり論理的でない設計者です。自分の設計した物が出来上がってきても詳しく分析せず、どういった症状(不具合)があるかなど、あまり突っ込んだことをしていないように思います。しかし設計者とはプライドが高い生き物で、そういったことを言われると五月蝿がる方がおりますので、なかなか改善されないのが現状でしょうか。この問題は今後もつきまとう大きな課題でしょう。
現場を知らない設計者が多いのはよくあることのようですね。でも、設計を知っている現場がいるのかも疑問なところですよね。私が疑問に思うのは、加工業者の熟練度は会社によって安定していると言えるでしょうか?ということです。金型1つとっても、有名な会社と町工場では完成度、金額共に非常に差があり、設計会社はその会社を選定するのに苦労しています。通常の部品加工は安くできる会社に依頼するようにしていますが、金額的に安い会社に依頼したら加工出来ないと言われ、高い会社に依頼したら出来ると言われ・・・。これでは本当に加工できる精度が判るはずもなく、おっしゃるように自分でやってみることしか選択肢はないと思えます。私も設計者の1人として加工者から文句を言われないよう、出来ることは出来るだけ自分でするようにしていますが、それでも設計者が加工機を動かす機会に出会えれば良い方で、機会に恵まれても作業にかけられる時間はほんの僅かかと思います。以前、私は製造技術課と設計課の掛け持ちで仕事をしていたため、板金加工に関しては少しだけ詳しいつもりでおりますが、それでも設計をしている時間が長くなればなるほど、そっち寄りの考え方になってしまっている気がします。また、そうしないと理屈が通らなくなるという壁にぶつかります。加工出来るか否かは、まず設計してみて加工依頼をし、それで加工出来ないと言われたケースに関して対応しているのが現実です。そしてこれは自分の悪いクセでもあるのですが、板金はどんな物であれ、どうにか形になってしまうので、できないと言われたものに関しては、つぎはぎしてでも作ってもらうように言いくるめています。今の設計者が現場を知らないと言われたら自分のせいかもしれませんが、本当に昔の設計者はそんなに現場を知っていたのか?疑問でもあります。反感を買うことを承知で言いますと、加工業者が自分の腕のなさを認められない愚痴ではないか?とケンカごしになってしまうことさえあります。失礼なことを言ってしまい、申し訳ありません。